マレーシアのカズです。
マレーシアに海外赴任して3年がすぎましたが、
新型コロナウイルスの影響で会社を解雇された
冴えない元サラリーマンです。
新型コロナウイルスで多くのサラリーマンの方が
テレワークになり自宅などでコーヒーを飲む機会、
消費量が増えた方も多いはずです。
皆さんは本当のコーヒーの値段を知っていますか?
まずは結論から言うと
多くの日本人が飲んでいるコーヒーは搾取の上に成り立っています。
Contents
コーヒーの生産国と消費量の簡単な説明
日本ではコーヒーを多くの人が毎日飲むようになり
コーヒー豆の輸入量はほぼ毎年増加しています。
日本のコーヒー輸入額の推移

(引用データ 財務省 貿易統計を基にGD Freak!が作成)
しかしコーヒーの輸入額はここ数年減少傾向にあるのです。
それはコーヒー先物取引価格が下がっていることもあります。
日本へのコーヒー生豆輸入量ランキング
近年では多くの国でコーヒー豆の栽培が行われています。
思いつくだけでも ブラジル、コロンビア、エチオピア、ベトナムなどがあります。
2019年の日本への国別コーヒー輸入量上位5カ国
・ブラジル
・ベトネム
・コロンビア
・エチオピア
・グアテマラ
(引用参照 全日本コーヒー協会)
コーヒー生産国の新型コロナウイルスの現状
すでに多くの皆さんもニュースなどでご存知だと思いますが
コーヒーの産地で有名なブラジルは多くの新型コロナウイルス感染者
そして死亡者を出しています。
またコロンビアやグアテマラなども
厳しい外出移動制限が発令されています。
このために農産物の収穫ができない上に
収穫しても移動制限で物流の遅延などが起きています。
コーヒー豆の収穫も例外ありません
今のところブラジルは経済活動を優先しているために
コーヒー豆の収穫は進んでいます。
他の中南米地域のコーヒー豆の収穫は
ほとんどできない状況が続いています。
また収穫が出来ても輸出する港まで
運ぶことが困難であったり
湾口での作業時間の制限で
出荷の遅延が出ています。
またエチオピアも同様で
コーヒー豆の収穫が出来ても
出荷が遅延しています。
ベトナムは幸いなことに
コーヒー豆の収穫はほとんどが終了しています。
ベトネムは新型コロナウイルスの
感染者が非常に少なかったこともあり
特に影響を受けていません。
日本人のコーヒー飲用状況
新型コロナウイルスの影響で
日本では多くの飲食店が一時的に
休業や時間短縮、持ち帰りのみの営業でした
大手のコーヒーショップでも
同じように休業、持ち帰りのみ、短縮営業を行ったので
コーヒーの消費量は減っています。
多くの皆さんが
自宅で過ごす時間が増えて
お家でカフェタイムをする機会が増えたのですが
全体のコーヒー消費量は減っているのです。
コロナ後のコーヒー豆の価格
2020年3月に新型コロナウイルスで先進国が
ロックダウンする前にコーヒー豆の買い溜めがみられました。
流行拡大に伴う貿易の停止も懸念されてことによって
コーヒー豆の先物取引価格は上昇したのです。
しかし2020年3月下旬からコーヒー豆の
先物取引価格の下落が始まりました。
6月に入ってもまだ下落傾向が続いています。
新型コロナウイルスの世界的な流行前と
コーヒー豆の値段はほとんど同じになっています。
理由は需要と供給のバランスがあっていないためです。
特に供給が過多になってコーヒー豆の相場が下落しているのです。
またコーヒー豆の世界1の生産国のブラジルが
供給を増やしていることも原因になっています。
コーヒー豆の取引は米ドルで取引されるので
ブラジル通貨レアルが対米ドルで下落すると
生産者の収入が増えるのでコーヒー豆の輸出が増加するのです。
ちなみブラジルの通貨レアルはここ数年
米ドルに対してレアル安になっています。
(ブラジル通貨が弱くなっているということです)
2ヶ月くらい前のニュースの原油安と似た構造になっています。
ちなみに米国農務省によると2020から2021年の
ブラジルのコーヒー豆の生産は
過去最高になる見通しと予想しています。
これではますますコーヒー豆の
先物取引価格は下落していくと思われます。
コーヒー1杯の恐ろしい値段
おいしいコーヒーの真実 (2006年製作)
というドキュメンタリー映画を観て
すでに知っている人が多いと思います。
コーヒー1杯にかかる原価
コーヒー1杯にかかる材料原価は
大手コーヒーショップ、コンビニセルフサービコーヒーでも
1杯当たりの原価は10円から30円ほどです。
もちろん砂糖やミルクなどを
入れれば原価は変わっていきます。
大手コーヒーショップ、コンビニの場合は
コーヒー豆は商社から購入して
独自に焙煎するか
もしくはすでに焙煎されている
コーヒー豆を買う場合もあります。
ちなみにコーヒー豆を日本に輸入している
商社では丸紅が30%となっていて
シェアが一番多いです。
コーヒー豆の恐ろしい価格
コーヒー豆の生産者に支払われる
コーヒー豆1キロ当たりの値段は
20円から50円ほどが現実です。
(為替相場によって変動します)
ちなみに1キロ当たりのコーヒー豆から
70から80杯のコーヒーが飲めます。
儲からないコーヒー生産者
日本では農業や漁業で儲けると
・・・御殿というように
農産物や水産物で大儲けして
大きな家をたてた話を聞いたことがあると思います。
しかしコーヒー豆の生産者は
ずっと安い値段で仲買人などによって
コーヒー豆を安く買い叩かれています。
生産者はずっと貧しい生活を強いられています。
ちなみ商社が買うコーヒー豆の価格は
先物商品取引の価格が多いです。
まとめ
おおよそ10年前に私は
青年海外協力隊で南米コロンビアの
アルメニアという小さな街に2年間暮らしていました。
そこはコロンビアの中でも有名なコーヒー豆の産地です。
もちろん私も知りあいのコーヒー農園に何度も通いました。
コロンビアのコーヒーの栽培は平野部ではなく
標高が1500から2000メートルのアンデス山脈の
急な斜面にコーヒーの木が植えられていることがほとんどです。
ブラジルのように平野部にコーヒーの木が
植えられれていないので
機械によっての収穫はできずに
収穫は全て手済みになります。
また収穫後の輸送も山間部のために
道幅が細くてくねくねしているので
大型トラックでの郵送はできずに
ジープの荷台に乗せて麓の村まで運ぶのです。
これではなかか収穫量上がりません。
また最高品質のコロンビアコーヒー豆の収穫でも
生産者は決して豊かな生活を送ってはいません。
ここ数年コーヒー豆の先物取引市場価格は
下落傾向にあります。
コロンビアではコーヒー豆の収入で
生活が成り立たずに廃業して
別の農産物を栽培していく農家も多く出てきています。
またコーヒー豆に栽培から
違法薬物の栽培、生産、生成を行う
コーヒー農園もあることも事実です。
これはコーヒー豆の栽培だけでは
生活ができないので違法と知りながら
生活のために違法薬物の生産をして
家族を養っているのです。
コーヒー豆の値段がさがっても
大手コーヒーショップや
スーパーで買うコーヒー豆の値段は
安くなっていないのが現状です。
コーヒー豆も原油価格も同じ先物取引の
値段によって左右されています。
自動車を運転される方はわかると思いますが
ガスリンスタンドで今週は
ちょっとガソリンが高い、安いがわかります。
残念ながらコーヒーの場合はそれはありません
いくら先物市場価格でコーヒーが安くなっても
コーヒーショップの1杯のコーヒー値段は、
変動はしていません。
消費増税などでむしろコーヒー値上がりしています。
もちろん飲食店経営者なら
同じ品質のコーヒー豆の値段が
安くなってくれた方がありがたい訳です。
その分利益率が上がり儲かるからです。
これはスーパー等で売っているコーヒー豆にも同じです。
コーヒー豆の仕入れ価格が安くなっても
販売するコーヒーの値段は安くはしません。
またコーヒー豆の生産者の賃金をあげるために
近年ではフェアトレードが話題になっています。
簡単にフェアトレードをいうと
適正価格でコーヒー豆を販売することで
生産者がきちんと儲かる仕組みです。
もし全のコーヒー豆の生産者に
フェアトレードを適用したら
多くの人はコーヒーを飲まなくなります。
コーヒー1杯あたりの価格恐ろしく高騰するからです。
コーヒーが多くの人に飲まれるようになった背景には
コーヒー1杯の価格が私たち
庶民にも飲める値段になったからです。
もしフェアトレードで大手コーヒーショップの
コーヒー1杯の値段が1500円
コンビニコーヒー1杯が500円なら
ほとんど人はコーヒーを飲まなくなるはずです。
もちろんコーヒーに限らず
皆さんが使っている衣類や靴なども
ほとんどが海外生産品の輸入です。
今生きている私たちの社会は残念ながら
搾取の上うに成り立っていることを
改めて知って欲しいです。
しかしこれを変えようとすると
恐ろしく値段が高くなってしまう現実もあるのです。